自分のピースがハマる場所

3年前の大王様のお話
それにしても、この話は
何度読んでも、いい話や〜💕

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【自分だけがハマれる場所 】

その昔、人生で1番悶々としていた暗黒の23歳

何をやってもうまくいかず

常にイライラし苛立っていた

街行く人の笑顔を見るだけで

気分が悪く 
 
 

【 全部お前のせいなんだょ❗️ 】 
 
 

と天に向かって常にツバを吐いていた


人生で1番悩み日々涙していた頃


どこで働いても問題を起こしクビになり 
 
 
 




当然ながら貯金などなく


お金も財布にお札がある日が珍しく


その日暮らす分で精一杯 
 
 
 
 



そんな日々がエンドレスで続いてく

家のファミコン、電化製品、

金目の物を売っては何とかしのいでいた 
 
 
 
 




どこで働こうとも長続きせず

まともな定職にもつけず

この先どうやって生きていけばいいのか

まるで検討もつかず 
 
 
 
 

 

自分の生まれ育った

環境、境遇、両親、神様

自分の周りにあるもの全てを呪った。 
 
 
 
 
 




やりたいことも分からず

夢なんて見るだけムダ

この世で1番クズなのは



もしかして俺なんじゃないだろうか?

口から出るのは愚痴泣き言悪口ばかり  
 
 
 
 
 


『 俺なんて死んだ方がマシなんだよ!』 
 
 
 
 



そんな自暴自棄な俺を見かねて



友人の岡部が 
 
 

『 お前さぁ環境変えてみろよ

このままだったらマジでお前終わるぜ

安曇野で住込みの仕事話し付けてやった

三食昼寝付き、日給1万2千円

どうだよ、悪くないだろ? 』

 
 
 
 
 
 



仕事が見つかった喜びよりも

親友の岡部が俺を

心底心配してくれる気持ちが

何より嬉しかった。 
 
 
 
 
 
 
 
 




しかし悲しいかな

安曇野までの電車賃さえなかった

 
 
 
 
 




岡部はそんなことまで

見透かしたように

 
 
 
 


『 交通費は心配すんな 』

  
 
 
 
 
 



そういって財布から

1万円札を出して

無造作に俺の手に握らせた 
 
 
 
 
 
 





岡部には今でも本当に感謝している

 
 
 
 

 

その仕事は安曇野での

リゾートホテル建設現場の雑用だった。

  
 
 
 


ここに集められたのは男女8人

ここで安立先輩という

一見いかつい兄貴分との出会いで

人生は大きく変わって行った。 
 
 
 
 
 




仕事内容は至って簡単で

職人達が出すゴミをキレイに片付けること
 
 
 
 
 



室内のベッドやソファーなどを

設置するといった

高校生のバイトで充分な内容だった。 
 
 
 
 





当時人見知りで

自分から知らない人に

話し掛けることなど出来ずにいた俺に

 
 
 
 
 



安立先輩は何かと

気に掛けてくれて話し掛けてきてくれた。

 
 
 
 


彼はどちらかというと

隙さえあれば仕事をサボり

 
 
 
 
 


上司がいる時だけ誰よりも

必死に働いてる背中を

率先して見せる1番イヤなタイプ
 
 
 
 
 
 


まるで自分の姿を鏡を

見ているかのようですぐに意気投合した。

 
 
 
 


いつものように皆が必死に働く中、

サボる場所を見つけ


『 おい櫻庭こいよ❗️このベットヤバイぜ❗️
多分スイートルーム用のベッドだな、
こんなベッドで寝れる身分になりたいもんだよなぁ
  おい!チョット休もうぜ 』




カフカのベッドに

横になりながら将来の夢を語り合った



『 櫻庭さぁ〜夢あんの❓ 』




『 夢は......ないっすね........
  社長になってスゲぇ金持ちになりたいって
  ガキの頃から思ってましたけど社会に出てすぐに 
  俺には無理って悟りました 』




『 なんで❓ 』

 
 
 


『 なんでって、何も取り柄ないっすよ俺......
  大体社長ってどうやってなるんですか?
  俺みたいなクズには無理っすよ....
  それより先輩の夢ってなんですか? 』





『 俺かぁ、俺はさぁどっちかっていうとさ、
  社会向きじゃないんだよねぇ、
  寅さんみたくなりたいんだよ、
  日本中旅しながらさ、色んな人に出会いたい
  こんな何の役にも立たない俺だけどさ、
  きっとどこかに

  俺だけがハマれる場所が必ずある!
  昔からずっとそう思ってんだよ 』



『 ハマるってなんすか? 』




『 お前パズルしたことある?
  最後完成する時さ、あと一つで完成って時にな、
  一つピースが足りないんだよ、
  んでどこ探してもなくてな 
 
 

  困ってメーカーに電話すんだよ、
  一つピースが足りません
  送って下さいって、
  あれ電話すると送ってくれんだよ知ってる? 』




『 そうなんですか? 』




『 なんだよお前つまんなそうだなぁ❗️
  誰かが一生懸命探してる
  一つ足りないピースに俺はなる 』




『 .......... 』




『 旅しながら色んな人に出会って
  自分のハマる場所を探すんだよ、
  必ずあるはずなんだよ 

  俺にだってきっとどこかにさ
  お前にだって必ずあるよ、 
  お前にしかハマれない場所が 』




『 俺なんかにそんな場所ないっすよ...... 』




『 バカヤロウ!!あるんだよ必ずある❗️
  お前にしかハマれないお前だけの特別な場所が 』



『 見つけ方分かんないっすよ 』




『 そんなん俺にも分かんねえから旅に出るんだよ

  櫻庭な、迷ったら旅に出ろ

  お前帰ったらさ、寅さん見てみな憧れるぜ、
  あんな生き方

  所詮人間なんて生きてりゃぁ辛いことばっかだよ、

  でもな俺は寅さんになって

  自分のハマる場所探すって決めてんだよ


  日本のどこかに必ず俺を

  待ってる人がいるはずなんだよ

  だからこうしてその日の為に一生懸命働いて

  金貯めてんだよ 』



一生懸命働いてんだよって

セリフにかなりの疑問を抱いたものの


当時夢も希望も財布の中身も

無かった俺には先輩はとても眩しく見えた




この仕事は2週間契約だったにも

かかわらず帰りたくなかったので

頼み込んで結局安曇野で1カ月働いた




ペンションでの共同住込み生活は

思いの外楽しく一生ここで

働いてもいいなと思える程だった。

バイト仲間の仁美チャンに

恋もしちゃったりして

それはそれは楽しい日々だった。




先輩の言いつけどうりに

帰ってから寅さんを

レンタルビデオで借りてみた。



【いつの日か俺も寅さんになりたい!】



あれから随分と長い月日が流れた




気が付くと俺は世界を

股に掛ける寅さんチックな生活になっていて

導いてくれた安立先輩は



今頃どこで何してるのかな



自分のハマる場所見つけて

幸せにやってるといいな




あの時のあなたの一言で



俺は救われた



ハマる場所とは導かれるもの



人様のお役にさえ立っていれば



必ず発動し何者かに引っ張られる



人生とは引っ張られるもの



引っ張られてこそ



お役にたってこその人生



何物にも引っ張られていないのなら


誰かを喜ばせることから始めてみよう



見えない力に



引っ張られてこそ本当の自分

自分だけが

ハマれる特別な場所へと導かれるのである




PS

シドニーに向かう

機内の窓からキレイな朝陽が顔を出した



あまりのキレイさにボケっと眺めてたら

なぜか急にあの時の

安曇野の記憶が蘇った。



暇だったから書いてみた



色んな人達に迷惑を掛けながら



助けて頂きながら今の自分がいる



今を大事に



今、目の前にいる人を大切に




シドニーめっちゃ寒い

ლ(ʘ▽ʘ)ლ




明日は1日会議、がんばるで〜